それがしブログ

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12月も半ば……もう半ば!?

ということで? 個人的に今年いちばんの大仕事(報酬が発生する方の仕事という意味じゃないよ)を進めています。順調に進められれば来週にはとりあえずカタがつきそうです。その後進展があったらここで公開する予定は未定です。年内に済むといいなあ。

 

このブログを始めたのは昨年末なので、そろそろ一年経ちますね。長らく放置していた時期もありますが、9月末以降はまあまあなペースで書いたんじゃないでしょうか。どうなんでしょう。いずれにしても文章を書くのは好きな方なので、私自身は楽しんでやっております。皆様はいかがでしょうか。少しでも楽しんでいただけていたら、あるいは考えるきっかけになっていればいいのですが。 

 

なんとなく書く気になったので、これまでのことを振り返ってみたいと思います。

ここを開設した理由自体は、個人サイト時代のような感じで主にオタク的な話題について長文が書けるところが欲しいなあという軽いものでした。

しかし、昨年末ごろにあったとある騒動で受けた衝撃があまりに大きく、世の理不尽について黙っていることが出来なくなってしまい、ご覧の通りの結果となりました。同時期からTwitterでもどんどん真面目な話題が増えていきました。自分、それまでは結構寡黙なアカウントだったんですよ。3ヶ月に一度も現れない日も少なくなかったり(仕事が忙しすぎてっていうのもありますが)。まあそしたらフォロワーが減るのなんの……(元々少ないです。見栄を張りました)

 

その騒動というのは、『ヒプノシスマイク』のコミカライズ掲載誌発売を機にファンダムの間で諍いが起きた件です。「女性向け」コンテンツを好む人たちの間では結構な大騒ぎになったので覚えていらっしゃる方も多いでしょうか(個人的に「炎上」なる単語は原因や問題の所在が不明になる表現であると感じるので敢えて使用しません)。

この時よく出回っていた”解釈違い”なる単語はただファン同士の対立を煽るために利用されたわかりやすいワードと捉えています。問題の本質はおそらくファンダム内における女性差別に対する認識の差異だったのではないでしょうか。日本ではまだまだフェミニズムは浸透していません。よく知らないながらも嫌っている人も多いでしょう。故に、切っ掛けはともかく、この時「コンテンツにミソジニーが含まれているかどうか」が話題になったこと自体は意義があったと思います。

 

ちなみに自分は特にこの作品のファンというわけではなく、話題のコンテンツとして注目していた程度で、関わりかたといえば楽曲とそのCDについているドラマを聞いたくらいです。が、率直に意見を述べますと、この作品にミソジニーが含まれていないと断ずるのはどうあっても不可能かと思います。楽曲のクオリティが高かったのは素人なりにわかったのですが、曲もドラマも使用されている単語自体は現実と変わらない(つまり直球の女性蔑視を示す言葉であったり、”男らしさ”を賛美しそれ以外を侮辱する表現であったり、です)ですし、女性が支配する世界という設定が徹底されているようには到底感じられませんでした。

この頃、ヒップホップ界におけるミソジニーに触れつつヒプノシスマイクに内在する問題点を指摘した内容の記事が上がっていたように記憶しているのですが、どうも消えてしまっているようです。騒動の余波でしょうか。であれば残念なことです。

 

一連の流れについての解説が長くなってしまいましたが、自分が衝撃を受けたのはこの騒動自体に、ではありません。女性差別を問題視するオタクが増えていっていることは喜ばしく感じていました。問題は、韓国のファンが抗議行動を起こそうとしたときに、女性差別に怒りを示しているはずの人たちが「お隣の国はうるさいから」といった旨の発言をしたことです。

正直またか、と思いました。この話は何度もしていますが、『刀剣乱舞』の監修者が問題発言をした時にアジア圏のファンから抗議を受けた際も、日本の多くのファンの反応は実に冷淡なものでした。無断転載やトレース疑惑にはあれだけ声を上げるというのに。結局自分の関心ごとにしか意見がないのかと。なのに自分が下に見ている属性に対する差別感情はご立派に持っていらっしゃるのかと。知っていても落胆するものです。

(そもそもいわゆる公式に対して抗議することが何故日本のオタクにここまで煙たがられるのか不思議で仕方ないです。何をそんなに忌避しているのでしょうか。制作側も人間ですから誤りがあれば指摘していいのです。抗議してもファンでいられるわけですし。相手が明らかな差別主義者なら話は別ですけど……)

 

そんな時、『ヒプノシスマイク』のファンでありながら作品のミソジニーに怒り、韓国のフェミニストとも連帯するという意思を示す人を見つけました。ああ世の中捨てたものではないな、と思いました。そう、その時は……

ところで、ちょうどその頃、トランスジェンダーに対する差別が激化し始めていました。現在も続いていることではありますが、今ほど大っぴらにフォビアを露わにする人は多くなかったように思います。しかし、私が「世の中捨てたものではないな」と思ったはずの人は、なんとトランス排斥側に転向してしまいました(転向したのか元々そういった人なのかは知りませんが、意思表示をしました)。

これはオタクに限らずですが、普段からフェミニズムに関心を持っている人たちの中でも、完全にトランスジェンダー(特に女性)への差別感情を露わにし始めた人もいましたし、消極的に(例えばRTやいいねだけしたり、直接言わずとも遠回しに揶揄するなど)差別を支持する人なんかも増えて行きました。もうね、なんというんでしょうか。ガッカリどころではありません。人間に対する憎しみで燃え上がりそうでした。

 

「女性向け」コンテンツのファンが女性差別をなかったことにしようとし、

コンテンツの女性差別を指摘する人が民族差別をし、

それに対して怒れる人がトランス差別をすると。

 

お前らは何がしたいんだと。もう何を信じればいいのか分からなくなりました。

使い古された表現で恐縮ですが、人権とはパイの奪い合いではありません。今ある差別や偏見をなくすことであなたがたの人権が侵害されることは、ないのです。だから恐れる必要はありません。人の尊厳を傷つける行為は絶対にやめましょうね。

 

まあそんな感じで、あまりにもあまりな仕打ちに黙っていられなくなりました。よりによって愛する「女性向け」コンテンツおよびそのファンダム内で起きたことが事の発端だったというのが、「ネット上であんまり目立った行動をしない」という、自分に課していた制約を破ることになった大きな原因と言えるかもしれません。

 

最初の記事にも明記した通り、嫌いなものは差別です。そして骨の髄までオタクであります。だからこれからも真面目な記事もオタク丸出しの記事もどっちも書いていくつもりです。しくよろでございます。

ってまだ12月なのに抱負みたいになってしまいました。おしまい!