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『遙かなる時空の中で6 DX』を新たな気持ちでプレイしてみた感想

ニンテンドーSwitchのDL版『遙かなる時空の中で6 DX』がセール中だった(もう終わってしまいましたが)ので、改めてプレイしてみました。

発売当時はそこまで気にならなかったことが気になったり、時間の流れと共に自分の価値観が変化していることを改めて実感しました。と言っても、このタイトル自体はかなり好きな方ですし、それほど問題があるわけでもないのですが。ネオロマへの贔屓目? まああるかもしれません……

というわけで、思ったことを取り留めもなくつらつら。

 

『遙か』シリーズはこれまで様々な時代を舞台にしてきましたが、今作は大正12年で、かなり最近です。全然遙かなる時空超えてないです。次回作は戦国時代だそうで、それもまたあんまり遙かなる時空ではないような……そろそろ平安より前の時代やろうぜ!


まあそれはさておき、この時期といえば関東大震災が起きた年。しかしながらこのシリーズは和風ファンタジーなので、震災自体は起こらず、その代わりに超常現象による大災害が発生して凌雲閣周辺が崩壊する……という感じになっております。主人公たちの活躍もあって、実際の震災ほどの被害は出ていないと思われます。つまり多分虐殺は起きてないんじゃないかな……希望的観測ですが……

その他にも外国と戦争をしようとする軍部への不審をあらわにした民衆が暴動を起こしたり、すったもんだを経て結局軍の権力が失われて民主政治へ移行していくなど、史実とは異なる歴史の流れができていきます。うらやましい限り。
帝国軍はちゃんと「軍国主義に傾倒するあまり人体実験までする非道な悪役」として描かれているのと、現代人である主人公を含めてメインキャラはみんな「反戦」を訴えるのでそこまで不快感はありません(攻略対象に軍人がいますが、最終的には離反するのでまあ許容範囲かなという感じ)。

本作には外国人がわずかな西洋人しか出てこない上に「鬼の一族」という独自の被差別種族が存在するためか、行われていたであろうアジア諸国の人々への差別等は描写されていません。もしかしたら植民地化などがそもそも行われていないのかもしれません。まあ分かりませんが。「大正時代」が舞台となるとその辺はどうしても気になってしまうので触れました。

 

さて、「鬼の一族」というのはこれまでのシリーズにも出てきたお馴染みの種族なのですが、本作に関していえば、とにかく彼らに対する差別や偏見が克明に描かれており、それがまあ酷いのなんの。人間なんて信用できないと思っても致し方ない。
一族の面子は攻略対象に数人いるのですが、心情的にどうしても味方したくなるため、作中で多少あかんことをされても大目に見てしまいました。
だって理不尽な目に遭っていてかわいそうなので……ダリウス(鬼の一族の首領。とんでもなく顔が美しい)はめんどくさいかもしれないけどあんなことされたらめんどくさくなりもするわ!! 暴力的革命はダメだけど気持ちはわかってあげてほしいんだわ!! そう!! 対話をしろ対話を!!!!


差別問題をちゃんと描こうという心意気は感じたのですが、なにぶん主人公が部外者なのもあり、ダリウスルートは痒いところに手が届いておらずムズムズしました(梓ちゃんはキャラとしては好きですが)。
そろそろ被差別者の「理解者」じゃなくて当事者の目線でしっかり描いたゲームがやりたくなってくるね。デトロイトビカムヒューマンをやろうね。

 

ちなみに私の推しは鬼の一族のひとりであるルードくんです(本名はルードハーネ)

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この時代にここまで言える美少年、最高。真摯で誠実で言うことなし。
(ルードくんは変装をしてダリウスの女性秘書として働いています)

 

「恋愛ゲームと”美少年”は両立するのか?」についてはいずれ書きたいところです。