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愛があれば大丈夫? 『宝石商リチャード氏の謎鑑定』感想メモ

『宝石商リチャード氏の謎鑑定』のアニメを勧められたのですが、観る手段がなかったので原作に手をだしました。現在5巻まで読了済みです。

 

ごく簡単に言うと宝石の知識が得られたりいろんな人間関係が見られたりと面白く読んでいたのですが、気になるところが結構ありました。

思うに、アニメを見た人と原作を読んだ人とでは主人公である中田正義(ナカタ・セイギ)君への印象が違うのではないかと思います。と言うのもこの小説、基本的に正義くんの一人称で物語が進むからです。

 

Twitterでうだうだ書いていたので箇条書き形式でまとめますと、

  • 嫌がらせをされていた外国人相手に「この国を嫌いにならないで」と言う(うるせえ)
  • 女性がいない場(飲み会など)を華やかさの欠片もないと表現する(うるせえ)
  • お茶やお茶菓子を出す仕事を「普通は女性がやるもの」と認識している(うるせえ)
  • バイト先の外国人上司に向かって「お前」と呼びかける(無礼)
  • 同性愛を「性癖」を言う(明らかな誤用)

などなど……お前はいつの時代の人間だ(大学生なのに)と言いたくなるやらお前が言うなと言いたくなるやらです。基本的に地の文で表現されていることが多いので、アニメだと気付かないまま終わる事が多いのでしょう。

 

その他にもこの作品の著者の認識自体を問い質したい場面がありました。

  • アセクシャルと思しき女の子に対して周囲の反応がおかしい(これから先好きな人ができるかもしれないから的なニュアンスで押し通す)
  • 「普通」になりたいから男性と結婚するつもりでいたレズビアンの女性を登場させておきながら、その後のフォローがいまいち
  • 性的指向性的嗜好と表記する
  • イギリスの植民地時代のスリランカの文化が「良いもの」として残っていると現地の人間に断言させる

など。はい。結構ありますね。

それでも私はこの作品が結構好きなのは、ひとえに正義くんとリチャードとの間にある心の結びつきがあまりにも良かったからです。第4巻で失踪したリチャードを追いかけて行った正義くんのひたむきさ、それを受けたリチャードの心の動き、そこで起きた超ドラマチックな大事件、そう、まさにそう、私の大好物たる心と心の通い合い。エンダァアアアアアアアアイヤァアアアアアアでございました(バディミッションBONDにこの選択肢あったな)。

 

そういうわけで多分私はこの話を完結まで見届けるでしょう。しかし問題は問題として認識したいものです。いちいちイラッとしながら読みたくはないですからね。

それはそれとしてアニメも見てみたいです。